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【広島の魅力発見】
想いを結ぶ水引

相手を想う気持ちを形に変える『水引』を今に伝える

1300年前から続く文化を、新たな形に昇華する

『京こま』

 贈答品の帯紐飾りである『水引』が今、オシャレなアクセサリーや小物、インテリアとして作家の手によって生み出され、新しい形で注目を集めています。広島で水引作家として活動する澤井律子さんもその一人。「日本文化品の展示会に参加したとき、水引の技法で作られた色鮮やかなアクセサリーに目を奪われました」。熨斗紙やご祝儀袋の飾りとしか見ていなかった『水引』がピアスなどのアクセサリーになっていることはもちろん、青や黄色、オレンジなど色とりどりの紐が使われていることにも驚愕したという澤井さん。すぐさまこの道に進むことを決意し、弟子入りしたそうです。
澤井さんが作品を作る上で気を付けているのは、配色と形。「亀や鶴、松や梅といった縁起の良い結び方がたくさんあるのですが、その意味に気を配りつつ、自然な配色となるように紐を選んでいます。例えば亀と鶴は長寿の象徴なので、長寿祝いで使われる赤や金、紫などを取り入れるようにしているんです」。澤井さんの作品には、心の機微を伝えるという『水引』の魅力が残っています。

贈り物に心を込める日本古来の礼法

『京こま』

  『水引』の起源は1300年前、飛鳥時代に遡ります。当時、隋(現在の中国)から帰還した遣隋使が持って帰った贈り物に紅白の紐が括りつけられていたことに由来しており、それから贈答品には『水引』を結ぶことが通例化したと言われています。
 そんな歴史ある『水引』の特徴と言えば、伝えたい気持ちによって結びを変えること。例えば、祝儀袋などに使われる「花結び」は結び目を解いて結び直せることから「何度も繰り返したい」と婚礼以外の祝い事に活用。反対に「繰り返したくない」弔事には、一度結べばどれだけ引っ張っても解けない「結び切り」。また冠婚葬祭のどちらにも利用できる「あわじ結び」は、複雑に絡み合い簡単に離れないことから、「いつまでも良いお付き合いをしたい」と願いを込めて使われています。『水引』には贈る相手を想う心を形にしている、日本に古くから続くおもてなしの心が詰まっているのです。

生活とともに進化し、より身近な存在へ

『京こま』

 『水引』で使っているのは、和紙を紙縒りのようにねじって糸を巻き付けた紐です。これは平安時代以降、紙を使った元結が発明されたことで、麻紐から変化したと言われています。より身近なものが材料になり、さらに日本人の生活に根付いていったのです。
 『水引』をよく見てみると、3本や5本など複数の紐を使って結んでいるのが分かります。この本数、発祥の地である中国の五行説に由来しています。5本を基本にして、簡略式として3本、より丁寧な印象を与える7本と、割り切れない奇数本で決められています。例外として、5の2倍である10本も二重陽結びと呼ばれ、豪華さを表現。昔から贈る相手との関係性や気持ちの大きさで本数を変えていたようです。

良縁を結ぶ『水引』はこれからも残り続ける

『京こま』

 長い歴史を持ち、大切な人へ想いを届ける際に欠かせないものとされてきた『水引』ですが、澤井さんは「何でもインターネットで済ませられる現代では贈り物の文化もどんどん簡略化されています」と語ります。そのため、同じように発展してきた『水引』文化も失われつつあるのだそうです。
 そんな中、髪飾りやインテリアなどへと形を変え、贈り物の引き立て役から主役として使われることで、新たな価値に注目され始めている『水引』。しかし、そこに込められた人々の想いは変わりません。作る人、贈る人、受け取る人、それぞれの人の想いを紡ぎながら作られる作品は、人々の良縁を結んでくれることでしょう。

一般社団法人「ひろしまきもの遊び」
代表理事 澤井 律子氏

ひろしまきもの遊び

着物を楽しむきっかけづくりとコミュニティづくりを理念に、さまざまな視点で「和」のことを提案。
地域資源と文化資源を融合させた観光プロダクトの造成をはじめ、地元大学と共同で着物リメイクプロジェクトを実施するなど、『日常に着物を愉しむ』を実践しています。

お気軽にクラフト体験

■水引でもみじのストラップ作り体験
体験価格 1,000円(税込)

縁を結ぶといわれている水引で広島県の木であり、花である「もみじ」を制作。

お申込み方法等 詳細はこちら

【広島の魅力発見】
人生を彩る憧れの熊野筆

滑らかな描き心地に心奪われる『熊野筆』

「一本は持ちたい」憧憬のメイクブラシ

『京こま』

 「一度は使ってみたいメイクブラシ」と憧れを抱く女性も多い広島県の伝統工芸品『熊野筆』。その一番の魅力は、何と言っても肌触りにあります。柔らかな毛先がふわりと肌を撫でる心地よさは、ずっと触れていたいと思わせるほど。この柔らかさを生み出しているのは、研ぎ澄まされた職人の感覚。『熊野筆』は他の筆と違い、毛先を揃えるための裁断をしません。手の感覚だけを頼りに、先がない毛や長すぎる毛を抜きとり整えるのです。こうした職人技による丁寧な仕事が、柔らかくも弾力のある毛先を作り出すのです。
 『熊野筆』の柔らかさは、化粧の仕上がりにも良い影響を与えています。肌に触れた瞬間、輪郭に沿って扇状に広がるため、薄く均一な化粧が可能に。日本のみならず世界中のメイクアップアーティストがこぞって使用する、最高級のメイクブラシなのです。

約200年、苦難を乗り越え輝く『熊野筆』

『京こま』

 今でこそ高級品と評価される『熊野筆』。しかしその始まりは、決して華やかなものではありませんでした。
 広島県の熊野村で筆が作られるようになったのは、今から約200年前。農作物だけでは生活が厳しい村人たちが、農閑期である冬の生活をしのぐための副業としたのが起源とされています。熊野村には筆の生産に必要な動物の毛も上質な竹もなく、他県から仕入れるしかありません。それでも挫けず、書筆の生産が盛んであった奈良県や兵庫県へ若い衆を派遣し、筆に対する造詣を深めていったのだそうです。
 熊野村の貪欲さが功をなし、いつしかほぼ全ての村人が携わるまでに成長した筆造り。『熊野筆』の名も全国に知られるようになりました。しかしその栄光もつかの間。第二次世界大戦の開戦によって筆の生産がストップすると、終戦後も書筆の需要は増えず、『熊野筆』産業は低迷していきました。
しかし、ここで折れないのが熊野村。経済が回復し、生活に余裕が生まれた頃、女性のメイクに一縷の希望を見出します。書筆で培った滑らかな描き心地と墨ののり具合を、メイクにも応用。今までにないメイクブラシとして最上級の評価を得られ、見事『熊野筆』の復活を果たしたのです。

灰リス、ヤギ、イタチ……。毛を知ることが鍵

『京こま』

 今や100社以上のメーカーや関連会社が乱立するほどになった『熊野筆』。その中でも今回は、老舗の筆メーカー・株式会社晃祐堂の取締役である土屋武美さんにお話を伺いました。『熊野筆』作りで重要な点を聞くと、「熊野筆の品質を保つ上で大事になるのが、素材になる毛の選別です」と答えてくれました。
 『熊野筆』には、中国や欧米などから仕入れるヤギや馬、イタチなどの毛が使われます。筆作りではそれぞれの特徴を把握し、毛先にコシが必要なアイシャドウには弾力のあるイタチの毛を、ふんわりと仕上げたいチークブラシは細く柔らかいヤギの毛を使うなど、用途ごとに使い分けているのです。特に最高級とされているのが、中国・万里の長城近辺で獲れる灰リスの尻尾の毛。細く艶がありながらボリューミーに仕上がるため、毛の密度が重要となるパウダーブラシに多く使われています。また、天然の動物毛を多く使っているのも『熊野筆』の特徴。「天然の毛のほうが柔らかく粉取りがよく、筆にしたときに長く使える」と土屋さん。一つのものを長く使う、そんなエシカルな一面も兼ね備えているのが『熊野筆』なのです。

さらなる飛躍を願い、種を蒔く

『京こま』

 憧れの筆として名を馳せる化粧筆『熊野筆』ですが、土屋さん曰くまだまだ認知はされていないとのこと。「様々な化粧メーカーやブランドが『熊野筆』を使った商品を開発しています。しかし消費者が認知しているのはブランド名であって、『熊野筆』という名前が表に出ることはあまりありません。知られているようで知られていない。だからこそもっと知っていただけるように、次の一手を打たなければなりません」と語る土屋さん。近年では、クラウドファンディングで資金を集め『熊野筆』のボディブラシを開発している企業もあるのだとか。数々の苦難を乗り越えてきた『熊野筆』。今後の進化と発展に期待が高まります。

晃祐堂 取締役社長 土屋 武美氏

株式会社 晃祐堂

モットーは「変わらないために変わり続ける」こと。
「熊野筆」をもっと広めたいと新しい化粧筆工場での工場見学やブラシづくり体験をはじめました。
また、広島の名産である広島レモン、けん玉など他業種と積極的にコラボレーションし、今までにない魅力ある化粧筆を作り出しています。

ワークショップ・イベント

■熊野筆作り体験
体験価格 2,000円(税込)~

書筆から始まった熊野筆はやがて化粧筆にも技術が応用されるようになり、ここから肌に吸い付くように密着するなめらかな肌触りが生まれました。 そのため、ムラなく均等に自然な艶を出すことができるのが熊野化粧筆の特徴です。

現在、開催日程調整中

ホテルインターゲート広島の伝統・文化体験

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